MBAで学べる内容/プログラム
MBAでは、経営において必要な知識の習得や、ビジネスリーダーとしての能力の向上を図るため、多様なカリキュラムが用意されています。
体系的な学習と深い思考、現実に即した実践を繰り返す
ビジネスの現場では、本質的な解決策を見出す能力を身につけ、広い視点に立った経営構想力を持つことが求められます。日常的な業務の延長線上では解決できない問題に満ち溢れているのです。
そのような状況で有効となる解決策を探るためには、これまでの経験に加えて、体系的な知識の基盤と問題の核心に迫るための論理的な解析力が重要な意味を持ちます。
MBAのカリキュラムでは、戦略、会計、ファイナンス、マーケティングなど、経営に関する基礎を幅広く学習した上で、経営課題について仮説を立て、その検証を繰り返します。そのような深い思考と、現実に即した実践的な分析を重ねることで、将来マネジメントの中核を担う上での基盤となる、本質的な解決策を生み出す能力、広い視点に立脚した経営構想力を身につけていきます。
MBAを取得できるビジネススクールのタイプ
MBAを取得するためのプログラムは、各大学院・ビジネススクールにより履修内容・期間、費用はさまざまですが、以下のように区分けすることができます。MBA取得を検討するにあたっては、履修の形式、内容を理解し、自身のライフスタイルに合ったプログラムを選びましょう。
要素 | 種類 | ||
---|---|---|---|
プログラム | 国内 | 海外 | |
場所 | 国内 | 海外留学 | 国内 |
時間 | フルタイム/平日夜間・休日/オンライン | フルタイム | フルタイム/オンライン |
言語 | 日本語/英語 | 英語 | 英語/日本語 |
科目 | 総合/専門 | 総合/専門 |
なお、各MBAプログラムの費用に関しては、こちらをご参照ください。
国内MBA<フルタイム>
フルタイムのMBAプログラムは、全日制とも呼ばれ、平日昼間に講義が開かれます。そのため社会人の方は、会社から派遣されて通うか、あるいは休職したり退職したりして通うことになります。企業から派遣されて学ぶ方は、将来の幹部候補生として社内で期待されています。一方、辞めて学ぶ方は、転職による新たなステップアップを目指しています。また、学部卒業後の進学先としても選択されています。フルタイムで専念できる環境が魅力です。
国内MBA<平日夜間・休日>
社会人向けに平日夜間や休日に開講しているMBAプログラムです。職場や住まいに近い場合は、仕事帰りや休日に大学院に通い、MBAを取得することが可能です。仕事を辞める必要がないため、キャリアを中断せずにMBAを取得したい方に適しています。また、講義で学ぶ理論と、日々の業務で接する現実の課題をリアルタイムで照らし合わせることで学びを深めることも可能です。
海外MBA<海外留学>
海外の大学が提供するMBAプログラムです。ハーバードビジネススクール、スタンフォード大学経営大学院など著名なビジネススクールをはじめ、世界各国で多くの大学がMBAプログラムを提供しています。数年に渡り留学することとなりますので、企業派遣、あるいは退職・休職という形となります。
海外のMBAでも、大学によっては日本国内でプログラムを実施しているケースもあります。提供形式が大学によって異なり、本国の英語によるプログラムをオンラインで提供するものもあれば、国内で日本語での講義を提供する通学タイプのプログラムもあります。
国内オンラインMBA、海外オンラインMBA
完全オンライン、またはオンデマンド講義を中心に行われるMBAプログラムで、 国内・海外とも複数の大学が提供しています。基本的に通学は不要となるため場所を問わず参加が可能で、参加スケジュールが合わなければアーカイブ動画でキャッチアップすることも可能なのが魅力です。
国内でMBAを取得できる3つのプログラム
日本国内でMBAを取得できる代表的なプログラムとして、以下の3つがあります。
総合プログラム
(General MBA)
経営・マネジメントに関して総合的に学べるMBAプログラムです。経営全体を俯瞰的に捉える力、論理的思考力、問題解決力を備えたビジネスリーダーとしての能力を養うため、経営戦略論や経営組織論、ファイナンス、マーケティングなど幅広くカリキュラムが提供されます。
一橋ビジネススクールではフルタイム、および平日夜間・土曜休日のコースがあり、経営に関する知識や考え方を集中して学ぶことができます。
国際プログラム
(International MBA)
日本にいながらも英語で学ぶことにより、国際的に活躍する際に役立つ知識やコミュニケーション能力を身につけることができる、国際的な経営人材を育成するためのプログラムです。
カリキュラムの内容は日本語プログラムと同様に経営全般ですが、単に英語で学ぶだけではなく、世界各国から集まる多様な参加者とディスカッションを重ねていくことで、グローバルなビジネス感覚を養います。
一橋ビジネススクールでは、フルタイムの国際プログラムを開講しています。
専門プログラム
(Specialized MBA)
専門プログラムは、金融・財務やイノベーションなど、特定領域を専門的に学習するコースです。経営の基本的な内容を押さえつつ、特定の分野に強い特色のある高度専門人材を育成します。平日夜間のプログラムの場合、限られた学習時間で効率よく専門的な知識を得ることができるだけではなく、所属する学生がその業界や分野に深い関心を持っているため授業内容も高度なものとなり、業界での新たな人脈形成が図れることがSpecialized MBAの魅力といえます。
一橋ビジネススクールでは、金融戦略・経営財務に関する専門プログラムを開講しています。
MBAで履修できるカリキュラム・科目例
一橋ビジネススクールのケースを例に取って、MBAで履修できるカリキュラムや科目の詳細をご紹介します。
『経営戦略』
(経営分析プログラム・経営管理プログラム)
競争戦略と全社戦略を中心とする経営戦略論の基本的な考え方を理解した上で、その考え方を現実に適用して分析・策定するための基本的な能力を獲得することを目標とします。基本用語などを表面的に知るのではなく、経営戦略の基本的な考え方を体得して、実際の経営に応用できる水準にまで戦略リテラシーを引き上げます。
『テクノロジー・マネジメント』
(経営管理プログラム)
テクノロジーやイノベーションのマネジメントに関連する基本的な理論について、講義だけでなくケース・ディスカッションを多く行うことで理解を深めます。競争力や付加価値の源泉として技術を考える際に必要となる諸理論、企業成長や産業発展における技術の役割と影響などについて学びます。
『ファイナンス理論の基礎』
(金融戦略・経営財務プログラム)
ファイナンス理論の基本である資産価格理論を習得し、株式、債券、デリバティブといった証券の価格形成や、事業や証券投資における意思決定の基礎的な考え方を学びます。これらの理論モデルを学ぶことで資本市場に対する俯瞰的な視点を得ることができ、また資本市場のデータ分析の基礎が理解できます。
『日本的経営と日本経済』
(ICS:国際企業戦略専攻)
一橋ICSでは、世界経済の視点から日本経済を、グローバル戦略の視点から日本市場や日本的経営を捉える「Japanese Business and Economy(JBE)」を必修科目として提供しています。JBEでは、戦後の日本の復興、高度経済成長、今日の発展に至るまでの経緯や今後の課題など、日本の過去・現在・未来について多角的に学びます。
『知識経営』
(ICS:国際企業戦略専攻)
知識創造論に基づき、暗黙知を形式知に変えるプロセスを応用してイノベーションの創出につなげるプロセスを学びます。知識社会がさらに進展する21世紀において、企業・NPO・NGO・政府など様々な組織にとって、知識創造の重要性はかつてないほどに高まっています。知識創造論は、一橋大学名誉教授の野中郁次郎が提唱した理論です。一橋ICSはこの知識創造に関する研究と普及において世界を牽引しています。
在学生や修了者の声も参考になります。一橋ビジネススクールの各プログラムのサイトをご覧ください。